| 静岡県公安委員会届出49152560号 |
「もうあなたのことが嫌いになったの! だから別れる!! 」
・・・結婚していないカップルなら、そんな別れ方ができるかもしれません。
でも、結婚している夫婦というのはそう簡単に別れられるものではないんです。
では、なぜ「嫌い」だけでは離婚できないのか?
もちろん、夫婦が互いに離婚に同意しており離婚に関する協議で円満に解決できるならば、協議離婚や調停離婚という形で離婚できます。
しかし、そうでない場合=離婚裁判になった場合には、どちらか一方が「嫌いになったから」という理由だけでは離婚は認められない、ということです。
日本の法律では、「嫌い」以外に「正当な離婚原因」を証明できなければ、離婚は認められない事になっているのです。
パートナーを嫌いになる理由も、そんな気持ちになってしまうまでの経緯も、それぞれ違った事情があるものでしょう。感じ方も人それぞれでしょう。
もう大っ嫌い!という感情になってしまって当然のことを、あなたがされてきたから、離婚を考えるのでしょう。
しかし、人の価値観や感情はひとつではないので、日本の法律では離婚を認める条件を民法第770条で定めているのです。
1.夫婦の一方は、以下の場合に限り、離婚の訴えを提起(※1)することができる。
①配偶者に不貞な行為(※2) があったとき。
②配偶者から悪意で遺棄(※3)されたとき。
③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由(※4)があるとき。
※1…「離婚したい!」という裁判を起こすこと。
※2… 配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の異性と性的関係を持つ事
※3… 正当な理由もなく同居、協力、扶助の義務を行わない(勝手に家を出ていって帰ってこない、ギャンブルに明け暮れて生活費を家に入れてくれない、などという行為)ことです。
※4…夫婦関係が破綻(長期にわたる別居、暴力沙汰・暴言・侮辱、性的な不満など様々な事由)してその復元の見込みがない場合です。しかし、離婚が認められる場合と、認められない場合があり、個々の事情において裁判官が総合的に判断します。
「性格の不一致」と言われるものですね。
長く一緒に生活をしていると、相手の嫌なところや悪いところばかりが目についてしまったり… パートナーの性格を受け入れてあげられなくなったり…
「この人とは合わない」「この人の性格に我慢ができない」「嫌い」という感情が湧き、離婚への気持ちが大きくなるものです。
しかし、この「性格の不一致」は裁判で離婚を認められるために必要な離婚の原因としては不十分です。
裁判でいくら「どれだけ相手が嫌いか」を訴えても、離婚の原因とは認められず、離婚できない可能性が高いです。
裁判で、「性格の不一致」の証拠になるものとして民法の⑤の条件の中に含まれる
「別居の期間」が大きいでしょう。
なので、別居が可能な場合は“別居先の賃貸契約書”などが証拠として提出できますし、
その他にあなたが用意できる証拠としては、
・性格の不一致によって起きた様々な不都合を詳しくまとめた資料。
・友人、知人、家族などの事情を知る人の証言。
・精神的な負担によって通院しているような状態の場合、その診断書。
などが考えられます。
ただ、別居の期間は何年以上なら離婚が認められるという明確な決まりはなく、弁護士の先生によっては3年あれば認められる、5年はないと認められないと見解は異なるようです。だから各家庭の状況を総合的に判断して認められる事も、認められないこともあるようです。
「嫌い」「性格が合わない」という理由だけでは離婚できない可能性があるので、パートナーへの不信感や、少しでも浮気の疑いがある方は、確たる証拠を手に入れることが離婚への一番の近道になることでしょう。
結果、パートナーが浮気をしていても、していなくても、調査をすることで次に自分が離婚するためにどう行動するべきかが見えてくるはずです。